2016年05月25日

姫ちゃん、空き家解体の行政代執行費用は誰が負担すべきか


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地方自治体が危険な空き家を認定し取り壊しなどを行うということが

法的にも可能になって久しいですが(2010年埼玉県所沢市条例が皮切り)

行政代執行の費用は誰が負担すべきでしょうか。

詳しくは本日の内容をお読み下さい。
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■本日の内容■
姫ちゃん、空き家解体の行政代執行費用は誰が負担すべきか
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現在、東京の空き家率は約10%と言われており(全国は13%)空き家問題を解決するために自治体など様々な提言をしています。

しかしドラスティックな解決方法はなかなか存在しないのが現状です。

姫ちゃんはマーケットの原理にのっとり、個人のインセンティブを誘導するような施策でなければ人は動かないのだと思っています。

そして空き家問題は個人のインセンティブがうまく機能しないから発生しているといえます。

例えば、あるところに空き家があります。

空き家の持ち主は放置したまま利益も損失もない状態です。

一方で、その周辺の家の持ち主は、空き家の倒壊リスクや不審火、犯罪者の不法使用など様々なリスクを恐れて空き家をどうにかして欲しいと考えています。

法的には空き家の所有者は管理する義務を負っているのですが、実際に倒壊して隣地にダメージを与えることがなければなかなか動こうとはしないでしょう。

さて、この空き家、仮に更地に戻したとしたら、誰がコストを負担して、誰がメリットを享受するのでしょうか。

簡単ですよね。

・コスト負担→持ち主

・メリット享受→近隣住民

空き家を取り壊す費用、更地にかかる固定資産税の増加分はすべて空き家の持ち主にかかります。

一方、安心して住めるというメリットは近隣の人たちが享受します。

あれ?

メリットを受ける人がコストを負担するのが普通ですよね。

スタバでコーヒーを頼んでお金を払ったら、隣の人が自分の頼んだコーヒーを奪っていったら嫌ですよね。

極端に言うと空き家問題が解決しないのは、隣の人のためにコーヒーを買えと強制しているようなものだからです。

これは厚生経済学でいうところのピグー税的なものです。

全体の利益を最大化するために課税するというやり方です。

これは空き家の所有者だけに負担を強いるものです。

メリットを享受するのが近隣住民や自治体なのにコストは所有者が負担するということです。

今度は逆の方向で考えてみます。

近隣住民や自治体がお金を払って所有者に解体を承諾させるということです。

空き家を解体した後に固定資産税が上がることを考えると

解体費用+固定資産税の数年分くらいを近隣住民のカンパで所有者に支払い、解体してもらうという方法です。

これだと、コスト負担もメリット享受も両方近隣住民のものなので、違和感がありません。


いやいや、これじゃ泥棒に追銭な気分

管理義務者がちゃんと管理しないのが悪いのになんで周辺の人間がお金払うんだよ

という気持ちにはなるでしょう。

しかし、経済学的には社会全体の利益の合計はどちらも同じです。

厚生経済学では所有者に補助金を渡しても市場全体での利益合計は同じになるという理論があります。

つまり、経済学的には所有者にコストを全部負担させる場合と、周辺の住民がコストを負担する場合では全く同様の効果が得られるということなのです。

わかりにくいので例で説明します。

【空き家放置の時点】
・所有者→負担は0
・近隣住民A→負担は▲2
・近隣住民B→負担は▲2
・近隣住民C→負担は▲2
・近隣住民D→負担は▲2
・近隣住民E→負担は▲2

この近隣の合計負担は▲10

【所有者に負担させる】
・所有者→負担は▲5
・近隣住民A→負担0
・近隣住民B→負担0
・近隣住民C→負担0
・近隣住民D→負担0
・近隣住民E→負担0

この近隣の合計負担は▲5
空き家を放置した場合より社会全体の利益合計は5だけ増加しています。
ただし、所有者が全ての負担を受けます。

【近隣住民が負担する】
・所有者→負担は▲1
・近隣住民A→負担は▲0.8
・近隣住民B→負担は▲0.8
・近隣住民C→負担は▲0.8
・近隣住民D→負担は▲0.8
・近隣住民E→負担は▲0.8

近隣の合計負担はやはり▲5で一致します。

税金を課しても補助金を出しても同じだけの効果が出るというのはこういうイメージです。


まぁ近隣住民が負担するなんてことは、感情面から考えると実施できないのですが間に自治体が入ることで可能になります。

しかも近隣住民の負担も限りなく0に近づきます。

行政がコストを支払っても、持ち主が支払っても、社会全体でみれば同じ利益合計になるなら速やかに解体を実行できる施策をすべきだと思います。

つまりコストは便益を受ける側が負担して、さっさと処理すると。

ちなみに放置されるような空き家は権利関係が不明や複数に別れまくっているという状況のモノが多いです。

また売りたくても売れないような土地というのも多いです。

なので、行政代執行後に売却できればその売却益を費用に充てるというのはありかもしれません。

元所有者はその所有権を行政に証明すれば、費用を支払って権利を回復するなどができればスムーズに処置できると思います。

空想の世界ではありますが

こういう思考は興味深いので、今後も色々考えてみたいと思います。


でわでわ。



posted by 姫ちゃん at 18:57 | Comment(0) | 社会 不動産と政治経済との関わり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月24日

姫ちゃん、定期借家が普及しない3つの理由と対策


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大家にとっても入居者にとってもデメリットのない定期借家はなぜ普及していないのか

その理由は3つあると考えます。

詳しくは本日の内容をお読み下さい。
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■本日の内容■
姫ちゃん、定期借家が普及しない3つの理由と対策
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前回、定期借家についてそのメリットをお話ししました。

今日はその良いことずくめの定期借家が普及しない理由についてです。


(1)昔の常識にとらわれている

定期借家は平成12年に施行されすでに15年ほど経過しているのですが、まだまだ認知度が低いです。

そのため不動産屋さんや大家さんもよく知らなかったり“なんかイヤ”という理由で使いたがらないことが多いです。

また入居者さんは再契約のタイミングで家賃を上げられたりしないか不安だとも言います。

【対策】
昔の常識を否定する必要はありませんが、大家さんとして意志を持って不動産屋さんに交渉していく必要があります。

 さらに入居者さんには最初の契約時に更新(再契約)する際は家賃を上げないで同条件とする旨の特約を付けるなどフォローしましょう。


(2)書類作成など手間が増えるのを嫌がる

 自動更新で賃貸契約を更新している一部の地域では、純粋に2年に一回の「再契約」の手間が増えますよね。

 あとこれまで使い回していた普通借家契約の契約書が使えなくなり、見慣れない定期借家契約書を作成しなくてはならないので、不動産屋さんの心理的抵抗があります。

とかく旧態依然とした不動産業界かつ零細企業が多いので、新しいことができないという会社も多いです。

【対策】
再契約の手間が増えると言われた場合は、たとえば更新料をすこし上げるとか不動産屋さんに手間賃を提示して感謝しましょう。

それでも動けないという場合は全国規模の業者に鞍替えするという手段もあるかもしれません。


(3)悪用するやつらが定期借家の評判を落とす

 ネットで上がっていますが定期借家で「おとり物件」というやつが定期借家の評判を落とします。

これは相場よりも安い家賃で物件を掲載して客の注目を引き「2ヶ月」しか借りられない定期借家であることを告げて本当の物件に誘導するというものです。

法的に悪いことをしているわけではないですし、

実際に2ヶ月後には取り壊すという物件も存在するので、

最初から「おとり」として見せ球にしていたかどうかを証明することはできません。

でもね、それなら物件のタイトルにデカデカと書きましょうよ。

小さな字で下の方に書くのはやめましょうよ。

こういう物件がたくさん掲載されると、まっとうに定期借家を使おうとする人たちまで風評被害にあうので良くないと思います。

【対策】
法的に問題はないので直接クレームを言うことはできません。できるだけ相手にないようにしましょう。


ということで一人の大家として

定期借家が普及しない理由とその対策について考えてみました。

でわでわ。


posted by 姫ちゃん at 17:19 | Comment(0) | 管理 不動産管理全般について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月16日

姫ちゃん、定期借家を推進すべき理由とは


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定期借家契約をご存じでしょうか。

姫ちゃんは全ての不動産賃貸契約は定期借家にすべきだと考えています。

詳しくは本日の内容をお読み下さい。
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■本日の内容■
姫ちゃん、定期借家を推進すべき理由とは
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 不動産の賃貸契約には普通借家契約と定期借家契約があります。

普通借家とは「普通」とあるように従来から普通にある契約です。

一方、定期借家とは「定期」とあるように期間を決めて賃貸する契約です。

この定期借家の特徴は、更新がないことです。

普通借家では入居者が更新を希望すると大家は拒否することができません。

一方、定期借家では入居者が更新(再契約)を希望しても大家は拒否することができます。

 この違いは大家にとって多大なるメリットがあります。

そもそもほとんどの大家は良い入居者には長く住んでいただきたいと考えています。

同時に周囲に迷惑をかけたり家賃を何ヶ月も滞納するような入居者にはできるだけ早く退去してもらいたいとも考えています。

しかし、従来の普通借家では、どんなに入居者の素行や滞納がひどくても更新を拒絶することは困難でした。

そこで、この定期借家の出番です。

定期借家にすれば大家が更新を拒否することが出来るからです。

もちろん大家と入居者の双方が望めば基本的に更新(再契約)可能です。

つまり、良い入居者様にとってはこれまで通りでデメリットはなく

隣人に騒音を出す人がいた場合、自分が出て行くのではなく大家に依頼することで隣人の更新を拒否してもらうなどのメリットが生まれるものなのです。

大家にとっても、基本的に素行の悪い人や滞納する人を合法的に退去させることができ良いことずくめだと思います。

唯一デメリットを感じるのは素行の悪い人や出て行くあてのない人だけかもしれません。

しかし、このメルマガの読者の方々は全員、善良なる市民のはずですので、そのようなデメリットを気にする方はいないと思います。

そんなメリット満載の定期借家ですが、なかなか普及していません。

その理由は3つあると姫ちゃんは考えます。

それについては、また次回お話しします。

でわでわ。




posted by 姫ちゃん at 14:46 | Comment(0) | 管理 不動産管理全般について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする